脳の病気による麻痺と、そこからくる骨格の歪みと、そして長嶋さんと

脳梗塞や脳出血等の後遺症で、半身に麻痺が残ると、脊柱や骨盤・骨格の歪みを一気に加速させてゆくことにもつながります。

そしてそこから、新たな病気や精神不安定といった諸々の体調不良を、次から次へと呼び込む原因にまで、なっているのです。

 

脳卒中を発症した後、長くベッドで過ごしたので体が衰えたからとか、不自由になったことでストレスが溜まるとか、あるいは日常の何気ない動作にも体力を激しく消耗するようになったから……等と云うような原因が、病後に別の病を発症する理由としては、しばしば挙げられてはいます。

確かにコレらは、身体を再度壊す原因の主たるものではあります。

ですが、体が歪んでいったことで、精神状態や臓器の機能を悪い方向に持ってゆかせている、と云う面も、大いにあり、そしてその事実は現在の医学界や理学療法・作業療法の世界では、ほとんど着目されていないのです。

昭和の大横綱である大鵬さんや映画監督の大島渚さんは、脳梗塞で倒れて半身に麻痺が残ったのち、リハビリを経て親方業・監督業に復帰を果たすものの、後年、再度・再々度病に見舞われてさらに不自由な身体になられてしまわれました。

この時、身体機能の衰えを急速に進ませてしまったのは、脳梗塞の再発ではなく、呼吸器や消化器・心臓の病を患ったことによるものでした。

このお二方は、リハビリによって日常に戻ることはできたものの、半身に麻痺がある状態で生活してゆくことで、身体の歪みがどんどん進行していってしまい、それにより神経の機能にも変調をきたすようになり、脳や血管以外の体の箇所に異常が出てきて、ついには新たな病気として表れてくる結果につながったのです。

アスリートである大鵬さんは、自らの鍛え上げた筋肉があった為、約30年ゆがみの進行を食い止めることができましたが、体が一般人と変わらない大島さんは5、6年で臓器のあちこちを悪くすることとなりました。

では、半身に麻痺がある状態で、健康を損なわずにいられることは出来るのかというと、とても難しいとしか今のところ言わざるを得ません。

半身麻痺を抱えていると歩くだけで歪みを発生させる大きな要因になりますし、人間の身体は片足の麻痺ぐらいならば骨格が適応するように出来てはいますが、半身麻痺に順応するようにはなっていないのです。

ですが、そんな閉塞した状況を打ち破ろうとしている方が、今現在日本に出てきているのです。

それが、長嶋茂雄さんです。

長嶋さんは手足に麻痺が残られているにもかかわらず、真っ直ぐな体幹を保たれており、80を過ぎているとは思えないほど背筋もピンとしています。

それゆえに、現在でも全国を飛び回っていても体調を崩さないでいられるのです。

それ程の回復と骨格の維持ができているのには、人一倍激しいリハビリを、ご本人がずっと続けてきているからという背景があります。

それを可能とさせているのは、長嶋さんには超一流プロ野球選手として、培われてきた体力・筋力が備わっているからと云う面も、確かにあります。

つまり、一般人ならばリハビリにそもそも体がついていかないので、そこまで回復できて、再度体調を悪くしない骨格になるなんてことは、到底たどり着けない道のりに、今のところはなっているのです。

 

ですが、長嶋さんの生き様は、他の方に勇気を与えているだけでなく、これからの医学界、理学療法や作業療法の世界、そしてカイロプラクティック・整体の世界にも、大きなヒントを示してもいるのです。

そう遠くない将来に、半身麻痺でも体の歪みを招かない方法の、研究が完成する日が、いずれ来ることとなるでしょう。