ひと手間の積み重ねが健康を呼び込み、楽なことの積み上げが不調を招く

料理はひと手間を加えることで美味しくなりますが、日々している生活の何気ない動作や習慣も、ひと手間加えることで身体を健康的な方向へと持ってゆくことができるのです。

われわれは物を持ち上げたり拾ったり、目線より低い場所を見たり物を取り付けたりするときに、ついつい前かがみの姿勢をとりがちです。

この時、かがむのではなく、腰を落とすようにすると、ぎっくり腰や腰痛・背中痛を発症するのを防ぐことが出来ますし、この、腰を落とす動作を習慣として続けることで、将来的に年をとっても自分の足で長く歩き続けてゆくこと、ひいては寝たきり防止にも繋がります。


また、歩く際にも意識が遠のいているかのような、力のないダラダラとしたズルズル歩きをするのではなく、腕を振って背筋を伸ばし、足に意識的に少し力を込めて前に出して歩くようにすると、足が引っ掛かりにくくなることと脚力がつくことで、転倒防止へと結びつくようになるのです。

こういったひと手間はちょっとした動作だけではなく、日常の習慣の中にも加えてゆくことで、過労や病気を防ぐことが、ある程度可能です。

体を洗う際、普段シャワーだけで入浴はせずに済ませるよりも、湯船には入った方が日々を健やかに過ごせることにつながりますし、部屋はこまめに掃除したほうが、カビの発生やハウスダストも抑えられて健康にも良い効果をもたらします。

そしてこれらとは逆のことをすれば、不健康への道を歩んでいくことになります。
先に述べた前かがみの姿勢やシャワーだけの生活もそうですが、面倒だからとコンビニ弁当やインスタント食品ばかり摂っていたり、楽で便利だからと紙の本を読まずにスマホばかり見ていると、身体を悪くしたり、不眠や頭痛持ちなどの良くない体質に身体を変化させてしまうことにもなりかねないのです。

我々は何でもついつい、楽な方向へと進んでしまいがちです。
ですが、人間が歴史の中で培ってきた、ひと手間ひと手間の所作や習慣の中には、医学が未発達な時代でも体を悪くせずに生活してゆける為の、先人達の叡智と妙技が秘められています。
そこを軽んじてしまうとそれこそ、心だけでなく体まで堕落へと陥ってしまうのです。